自律神経失調症だけど、心療内科で処方された薬を飲み続けているけど、一向に症状が改善しない。もしかしたら他に原因があるのかも。自律神経失調症の治療を考えているのであれば、鍼灸治療がおすすめです。
自律神経専門院で働いた経験と鍼灸師として培った経験から自律神経失調症への鍼灸治療について詳しく解説します。
自律神経失調症に鍼灸治療がおすすめの理由
自律神経失調症に鍼灸治療を勧める理由は、体と心のコリがほぐれるからです。
鍼灸は身体の皮膚の凹みや緊張からツボを探し出し、心地の良いツボ刺激は脳から快感を起こさせる麻薬用物質のβエンドルフィンが分泌させます。
未来に希望があるときや喜んで何かをしようとするとき、積極的に何かを受け入れようとするときに分泌され、心身の痛みを緩和します。その他にもおすすめの理由が3つあります。
①自律神経は内臓と密接に関わっている
鍼灸治療は各臓器を整えるために、臓器と関係のある経絡やツボを刺激します。心臓は不整脈、血管は高血圧、胃は食欲不振、膀胱は残尿感、生殖器は生理不順と更年期障害、肺は過呼吸などが挙げられます。鍼灸で内臓の機能低下を改善させることで、体が楽になり、自律神経が整いやすくなります。
②生活習慣を見直せる
問診票とカウンセリングで生活の中の問題点を抽出し、日常生活の見直しができるので、自律神経失調症が起こりやすい生活を改善することができます。ご自身での努力も必要ですが、自立して自由な生活を送るためには必要なことです。しっかりと悩みを聞いてもらい、少しずつ改善をしていくことが心と体にが楽になります。
③話を聞いてもらえる
自律神経失調症は検査では問題がないと言われやすく、重い症状にならなければ、周りの人にも理解してもらいにくい病気です。このような病気を理解した鍼灸師に話を聞いてもらいながら、心地の良い施術を受ける。この時間が心のコリを解す貴重な治療体験となります。
自律神経失調症の原因と治療例について
自律神経は生命活動を維持するためには必要不可欠な神経です。例えば、内臓、血管、皮膚は汗を出す、血管を収縮させる、ホルモンを分泌させるなど体温調節をして、少しでも生き延びられるように無意識に調節をします。
しかし、生活習慣の乱れ、対人関係のストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、自律神経失調症の症状が現れ、崩れた状態を維持してしまい自律神経失調症が長く続いてしまいます。このような状態から本来の体の機能に戻すために鍼灸治療があります。
生活習慣の乱れ
生活習慣の乱れとは食習慣、睡眠習慣、運動不足など、生活リズムが乱れることで徐々に体調が悪くなることです。いままで運動をしてストレス発散をしてきたが、仕事が忙しくなってきたり、育児で自分の時間が作れなくなり、ストレスが溜まってしまい、体の調子が悪くなることも考えられます。そのような場合は、仕事で仲間に頼る、育児を親や旦那さん、若しくは家政婦を雇ってみるなど対策が必要です。
対人関係のストレス
人間が抱えるストレスの9割は人間関係によるものだと言われています。人間関係を良好にすることも大切ですが、中にはコミュニケーションが苦手な方もいます。なぜ対人関係が悪くなったのか、その理由を明確にする必要もありますが、仕事がうまくいかないから人間関係がうまくいかないのか。人間関係がうまくいかないから仕事がうまくいかないのか、仕事以外でも何かしらの理由があり対人関係は社会を生きていく上でとても大切なことです。
自律神経失調症の鍼灸治療の一例
鍼灸治療はたくさん鍼を刺す、お灸をして火傷をさせればいいものではありません。自律神経失調症で悩む人ほど、体が疲れ切って、治療を受ける体力もありません。そのため刺激の量はなるべく少ない状態でも体が反応します。全身の調整はお灸、部分の症状は鍼を主体として施術を行います。
【自律神経調整-沢田龍太極療法】
『背中』身柱、膈兪、肝兪、脾兪、腎兪、志室、次髎
『腹部』中脘
『上肢』曲池、左陽池
『下肢』足三里、照海
【心身の安定をはかるためのツボ】
百会、寛骨、天柱、肩井、膻中、内関、神門
自律神経失調症を鍼灸で治療する場合の治療期間は?
当院では、自律神経失調症の治療は細胞の入れ替わり考え、4ヶ月を1クールと考えて治療計画を立てていきます。自律神経失調症はすぐには治りません。ゆっくりと時間をかけて行くため、1年間をかけて治療をする患者様もいらっしゃいます。
実際のところ、生活背景と自己治癒力が全く違うため、カウンセリングと施術を通して、治療ペースと治療期間を決めていきます。
まずは、自律神経失調症のカウンセリングを含めた初診を受けて、やっていけるかどうかを確かめることをおすすめします。
当院の自律神経失調症の施術の流れ
自律神経失調症の鍼灸治療の施術の流れを説明します。
※鍼灸が苦手な方は整体で対応させていただきます。
問診&カウンセリングシートの記入
問診表とカウンセリングシートを記入後、自律神経失調症の経緯や症状について詳しくお話を伺います。具体的には症状を明確にするためいくつかの質問を行います。
・何か思い当たる原因
・いつごろから症状が出始めたのか
・どのような症状で悩んでいるのか
・何をすると症状が悪化するのか
・何をすると症状が緩和するのか など
状態をお聞きし、痛みの根本原因を予測していきます。一人では思いつかない原因が、問診からも予想することができます。一方的な問診ではなく伝えたい状態を伝えていただければ大丈夫です。一緒にお身体と向き合い、疑問に思うことは遠慮なくお聞きください。
検査
当院では東洋医学的な視点から、舌の状態、脈の状態、腹部の状態を確認し、血管から内臓までどのような緊張状態にあるのかを観察します。そして西洋医学的な観点からも、身体の歪み、左右差、筋肉の緊張、身体の動きを観察します。
内と外をチェックすることで身体の状態をより深く観察することができます。当院の施術は、検査で始まり、検査で終わります。やりっぱなしではなく、一緒にカラダの変化を気づいていくことに重きをおいています。
施術プランの説明
自律神経失調症を東洋医学の視点と西洋医学の視点から、状態や施術プランを説明します。お話の途中でも身体のことや、治療方針など積極的にご質問いただいて構いません。ご納得いただいた状態で施術を開始していきます。
施術
自律神経失調症の施術はなるべく刺激の少ない施術で行っていきます。具体的には無痛でソフトな内臓調整と頭蓋骨調整、全身の灸施術と部分的な鍼施術内臓の機能改善、筋肉の疲労回復、脳疲労改善が主な目的です。
施術後の状態説明
体の変化を実感したけどなぜ変化したのか、この状態を維持するためには何をすればいいのか日常生活の見直しポイント、養生方法をお伝えし、自律神経失調症がぶり返さないようにサポートを致します。「再発しない身体作り」をテーマに、あなたの自律神経失調症のセルフケア、身体の使い方・栄養指導を行います。
施術終了
施術と今後の生活習慣の見直しポイントを説明後、お会計をさせていただきます。次回の通院の必要がある場合はご予約の目安もお伝えさせていただきます。安心してご来院いただけるように、できる限りの対応をさせていただきます。ご不明な点等がある場合はお気軽にご相談下さい。
まとめ:鍼灸院の選び方も大事
今回は自律神経失調症に対する鍼灸治療について解説しました。
最後に鍼灸院の選び方をお伝えします。
【鍼灸院の選び方】
① HPで鍼灸院の治療方針を確認する
鍼灸院でも流派や考え方によっては「鍼一本で治す」「肌を焼くお灸をする」このような鍼灸院もあります。どのような鍼灸をするのか、ホームページで確認をしておくといいと思います。わからない場合はLINEや電話で確認をしておくと良いでしょう。
② 鍼灸師のプロフィールをみる
プロフィールは鍼灸師の経緯や想いが書いてあることが多いです。そこからどんな人なのか、この人に任せてみようかなと思えるのかを確認しておくといいと思います。SNSをやっている先生もいらっしゃいますので、チェックしてみてもいいかもしれません。
③ 口コミを見ておく
最後に口コミをさらっと目を通しておくといいでしょう。口コミの内容も全てを鵜呑みにせず、参考程度に見ておくほうがいいと思います。
よい鍼灸院に巡り合うことを願っています。