手技療法 MANUAL THERAPY

手技療法とは

「手技療法」は、医療機器や医療設備などを使わずに手技だけで行う療法のことを指しています。
手技療法は遥か昔から存在し、紀元前300年に記されたと考えられている人類最古の書物にも、
手技療法による筋骨格系の治療について記されています。
触れる、摩る、押す、揉む、叩くなどといった刺激によって身体を整えて、皮膚や筋肉の血流を促すことによって自然治癒力を高めることができますが、一言で「揉む」といっても刺激の入れ方も違えば、施術をおこなう概念も様々な考えがあり、中には患者さんの体に触れずに調節するようなもののあり、
時代とともに先進医療と同じように手技療法も進化・進歩してきました。

日本で確立されている手技療法

日本ではさまざまな手技療法が治療法として確立されており、医業類似行為として国家資格として認められているものには、「柔道整復」「マッサージ」「指圧」「あん摩」「鍼灸」があり、医療従事者の業務として「理学療法」なども手技療法にあたります。
また民間療法としては「カイロプラクティック」が代表的ですが「整体」という名の元で無数の手技療法が存在しています。
手技療法による皮膚への影響として血流を良くし代謝を高め、皮膚の再生力も促します。

そういう意味では「エステ」も手技療法と重なる部分があります。

オルソグループの考える手技療法

オルソグループ設立の歴史は手技療法にあります。
病院では病気として扱われない患者さんや病院では治療法がない疾患、十分でない疾患は多々あります。そのような場合、患者さんの多くは民間療法に頼っています。
日本には様々な手技療法があります。それらの良い部分を集めて更に良い手技療法を作り上げていきたい。そういう気持ちでオルソグループが出来ました。手技療法に限らずですが、オルソグループは常に進化しています。

オルソグループの手技療法に対しての考え方は、患者さんを施術者が「治す」のではなく、患者さん自身の回復力で「治る」という力を最大限に引き出す事です。
施術家を目指す中で、誰しもが「神の手」にあこがれ、目指しているのではないでしょうか。もちろん患者さんの体を触ることで瞬時に痛みや困っている症状が取れる事も経験します。しかし、本当に素晴らしいのは、患者さん自身の自然な治癒力なのです。私たちはそのキッカケづくりを「手」を通しておこなっているに過ぎません。つまり、体本来の自然治癒力を高めるということが「手技療法」であり、私たちの使命だと考えています。

自然治癒力

自然治癒力には、恒常性維持、生体防御、修復再生の3つの要素があり、この機能は私たちが生まれつき備わっている生命力である生理的機能なのです。

恒常性維持

「恒常性維持」とは、体が自然に体の良い状態を保とうとする働きです。
私たちの体は、常に外部の環境の影響を受けています。暑ければ汗をかき、寒ければ体を震わせて体温を維持しようとします。運動によって、酸素の消費量が増えれば心臓の脈拍が早くなり血液をしっかりと循環させます。
また、体の内部である内臓の機能のバランスが崩れたときも睡眠や休息をとることによって状態が回復します。この機能は、主に自律神経や代謝エネルギー、内分泌(ホルモン)の働きによって調節されています。

生体防御

「生体防御」は、病原菌など異物の侵入などを防ぎ、殺傷して体を守ってくれる機能で、異物が体内に侵入するのを防ぐ仕組み(物理的・化学的防御)と、体内に侵入した異物を排除する仕組み(自然免疫、適応免疫)とがあります。
物理的・化学的防御は、そもそも異物を体内に侵入させないための仕組みのことです。
自然免疫は生まれながらに持っており、体内に侵入した異物を攻撃する仕組みです。また適応免疫は、生まれた後に機能を獲得するもので、これは体内に侵入した異物を感染した細胞ごと攻撃する仕組みです。

修復再生

「修復再生」は、傷ついたり古くなった細胞を修復したり新しいものに交換する機能です。
修復とは、瘢痕組織によって損傷組織が新しい組織に置き換えられる治癒メカニズムで、治癒という意味では不完全です。
一方再生は、損傷した組織を作り直すことによる治癒メカニズムで「生理的再生」と「病理的再生」があります。
生理的再生は、表皮・粘膜上皮・毛・爪・血球・血管など全身の多くの細胞が一定の割合で生まれ変わるものをいい、病理的再生は、ケガや病気で失われた組織周辺の損傷していない細胞が分裂することで増殖し、組織を新生する事をいいます。

この3つの仕組みが正常に働くことによって私たちは健康な状態を保つことができます。
しかし近年、この自然治癒力は様々な影響により低下傾向になっていることがわかっています。これらを手技療法により活性化する事が重要と考えています。その為オルソグループでは、病院で病気として扱われないような疾患や未病、何となく体調が悪い方、逆に病院では効果的な治療方法がない方などに対して、手技療法により自然治癒力を上げることで対応しています。
また何らかの痛みがあって受診された患者さんや怪我をして受診された患者さんに対しても先ずは痛みを取り、その原因の改善を図ります。次に再発しないように予防を行いますが、最も大切にしているのは、その後のメンテナンスです。定期的にメンテナンスを行う事で、自然治癒力を常に高い状態に保っておくことが大切です。
それには手技療法だけではなく、先に述べた運動療法、栄養療法、休息療法も必然的に重要になってきます。