整形外科のよくある質問 Q&A
変形性膝関節症
症状は初期には立ち上がりや歩き初めなど、動作の開始時に痛みが生じることが多いです。進行するにつれて、階段昇降や正座でも痛みが生じ、さらには短時間の歩行も困難となります。原因は、基本的に加齢による膝関節の軟骨の老化、すり減りですが、肥満や遺伝なども関与していると言われています。
- 予防法はありますか?
- 日常生活での注意点としては
・太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。
・正座やしゃがみ込み(和式トイレなど)を避ける。
・肥満があれば体重を減らす。
・膝を冷やさずに温める。
などがあります。
- どのように診断しますか?
- ・問診(症状の出かたなど)、身体所見(痛みの部位など)
・X線(レントゲン)検査
などを組み合わせて総合的に判断します。
- どのような治療がありますか?
- ・上記にあるような日常生活での注意
・湿布、飲み薬の痛み止め
・筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリテーション
・ヒアルロン酸関節注射
・PRP(多血小板血漿)療法、PFC-FD(血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存したもの)療法などを膝に注射する再生医療
・骨切り術や人工関節置換術などの手術療法
など、病状、進行度に応じて種々の治療選択肢があります。
骨粗しょう症
骨粗しょう症とは、骨密度(骨の強さ)が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症になったからといって、通常は痛みを伴いません。しかし、転倒などのちょっとした衝撃で骨折しやすくなります。特に骨折しやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、股関節(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折)、肩(上腕骨骨折)などです。
- どうして骨粗しょう症になるのですか?
- 骨は常に、新たに作られる「骨形成」と、溶かして壊される「骨吸収」を繰り返しています。年齢とともに、このバランスが崩れ、「骨吸収」のスピードの方が早くなってしまうことで骨密度が低下し、骨が弱くなっていきます。特に女性では閉経後のホルモンバランスの変化により、男性よりも骨粗しょう症になりやすいです。
- 予防法はありますか?
- ・カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムなどの栄養を摂る。
・タンパク質を摂る。
・禁煙し、アルコールを控えめにする。
・日光を浴び、適度な運動をする。
- どのように診断しますか?
- 種々の方法がありますが、最も一般的に行われている方法は、デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)であり、当院でもその方法を行なっております。
- どのような治療がありますか?
- 飲み薬や注射薬など、様々な種類の治療薬があります。年齢、骨粗しょう症の程度、生活スタイルなどに合わせて治療薬を選択します。