私の考える肩関節外来の役割は、肩周辺の症状に対して正確に診断し、治療方針を導き出す事です。肩周辺の症状の特徴として、その原因が肩に留まらず、しっかりとした診断がつかず、なかなか改善に至らない事があります。その為、私は全身から肩を診るように心がけています。肩周辺の症状の多くはリハビリテーションや内服により改善しますが、必要な場合には手術もお勧めすることもあります。当院では、体に対する負担を軽減する為、出来るだけ関節鏡を使用した低侵襲手術を行っています。私は手術の有無に関わらず、肩疾患の治療にはリハビリテーションが非常に重要と考えています。その為、当院では優秀な理学療法士、必要に応じて、関連施設の鍼灸師、スポーツトレーナーなどと連携しながら治療にあたっています。
肩周辺の症状は放置することにより更に悪化することもありますので、症状があったら、早目に外来を受診してください。私と一緒に治療をしていきましょう。
私の考えるスポーツ外来の役割は、スポーツによる怪我や障害に対して正確に診断し、一人ひとりの競技目的に応じて治療方針を導き出す事、またその知識を生かして、スポーツをしている人に限らず、肩こり、腰痛、膝痛などの慢性疾患に対して治療を行う事です。スポーツによる障害は、一般整形外科を受診してしまう傾向がありますが、競技特性、年齢、スポーツレベルなど、非常に多岐にわたり、特殊な所があるため、診断や治療は専門的な知識や経験が必要になります。また、スポーツ障害は比較的症状が軽い時期が長く、休む事により一時的に改善する事が多いために、専門外来を受診するまでに時間がかかってしまい、重症化してしまう傾向にあります。症状が出たら出来るだけ早く専門外来に受診する事をお勧めします。障害を治すことにより、痛みの改善だけではなく、パフォーマンスが向上することが多々あります。スポーツ障害の多くは適切なリハビリテーションにより改善します。適切な診断と共に適切なリハビリテーションが非常に重要になります。その為、当院では優秀な理学療法士、必要に応じて、関連施設の鍼灸師、スポーツトレーナーなどと連携しながら治療にあたっています。
私がスポーツ障害の患者さんを診察する際に心がけている事は、患者さんとの話し合いと信頼関係です。「将来的にどこまで競技を続けたいのか? 最終的にどのレベルを目指しているのか? 次の試合はどれほど重要なのか? 試合はどのような頻度で行われるのか?」そのような様々な患者さんの希望に応じて、どのような治療プランを作成するかは、同じ障害であっても大きく異なります。また多少のリスクがあってもしっかりと説明し、納得した上で行う事もあります。それには互いの信頼関係が必要になります。将来の事を見据えて、どのような治療がベストかを一緒に考えていきましょう。