整形外科 よくある質問 Q&A
①肩の痛み
肩の痛みには大きく肩関節そのものからの痛みと、その周辺組織からの機能的な痛みがあります。周辺の痛みの代表に「肩こり」がありますが、その痛みの多くは姿勢の悪さや、日常生活の癖からのものが多いです。但し、そのような機能的な痛みを放置することにより、肩関節そのものからの痛みである、インピンジメント症候群、腱板損傷、五十肩などに発展し場合によっては手術が必要になってきます。機能的な痛みがある段階で整形外科の診察を受け、しっかりとリハビリテーションを行う事により、悪化を防ぎましょう。また、「肩こり」と考えていても、実際は違う疾患が隠れている事もありますので、その辺りにも注意が必要です。
よくある症状
- 朝起きた時に痛い
- 夜痛くて寝むれない
- 肩こりと頭痛がひどい
- 肩があがりにくい
- 肩が痛くて力がはいりにくい
なんでもQ&A
- 肩こりが酷いのですがどうしたらいいでしょうか?
- 先ずは原因をしっかりと追究する事が必要です。姿勢の問題や、日常生活の癖から肩こりが起こる事が多いですが、中には頸椎の疾患や、肺疾患、神経疾患が隠れている事があります。整形外科を受診することにより、しっかりと原因が分かった上で、リハビリテーションを行う必要があります。特に器質的疾患がなく、機能的な問題であれば、肩甲骨の運動を行う事により症状はある程度改善すると考えます。正しい運動方法をリハビリテーションで指導をしてもらうのが良いと考えます。肩こりを放置した結果、肩関節に負担がかかり、筋肉や腱が断裂する可能性があります。
- 腕が痺れるのですが
- 腕がしびれる原因として、頭の問題、頸椎からの問題、姿勢からの問題が大きく考えられます。軽度のものはストレッチや首の体操にて軽快することもありますが、一時的に改善してもしっかりと原因を追究し再発を予防する必要があります。一度整形外科に受診して、しっかりと診察を受けて下さい。
- 夜間に肩が痛くなり、急に肩が挙がりにくくなりました。何が原因でしょうか?
- 四十肩、五十肩の特徴的な悩みのひとつに夜間痛があります。その原因の多くが、肩関節周囲炎といわれる肩の炎症による痛みです。痛みが激しくて寝れない場合には、注射や痛み止めの薬も有効ですので、決して無理せず、受診することをお勧めいたします。
②腰の痛み
腰の痛みには、筋肉の硬さからくる筋々膜性腰痛症、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、仙腸関節炎などがあります。また精神的な疲れから腰痛が起こる事もあります。どのような場合でも、先ずは腰の筋肉をしっかりと柔らかくし、お腹の中の筋肉(インナーマッスル)を鍛える必要があります。それを行う事により、腰の障害を起こしている部位への負担を軽減する事が可能です。
よくある症状
- 中腰姿勢になると痛い
- 長時間座っていると痛い
- 長い距離を歩くと足が痺れて歩けなくなる
- ぎっくり腰を繰り返す
なんでもQ&A
- 足が痺れて長く歩けません
- 腰の神経が圧迫されている可能性があります。また、足の血流が悪い可能性もあります。整形外科にて腰のMRIや、下肢の血流の検査をすることにより、原因を追究して、原因に対しての治療を行うひつようがあります。放置して、歩く距離がどんどん短くなる場合は手術になる事もあります。
- 10分程度歩くと脚がしびれてきます。これは整形外科の病気でしょうか?
- 大きく分けると、整形外科で取り扱う腰の病気によるしびれと、血管の病気によるしびれと2つの可能性があります。レントゲンやMRI、血流の流れを調べる検査などで原因の精査ができます。是非一度検査することをお勧めいたします。
③膝の痛み
半月板損傷、靭帯損傷など怪我による物の他に、加齢に伴って関節軟骨が傷んで痛みが出る変形性膝関節症があります。変形性膝関節症は悪化する前に予防しなければ手術になる事があります。関節の痛みと共にその周辺の靭帯や筋肉の痛みが出現しています。それは歩き方、靴、筋肉の硬さなどが原因となります。膝の痛みがあった場合は放置して悪化する前に、整形外科にて診察を受け、適切なリハビリテーションをする事が必要です。
よくある症状
- 階段を上ったり、下りたりする時に痛む
- 歩き始めに痛い
- 正座が痛くてできない
- 起きた時に膝が固まっている
なんでもQ&A
- 最近歩き始めに膝が痛みます。なにが原因ですか。
- 原因として最も多いのが、変形性膝関節症で、膝の軟骨の磨り減り、痛みが出てくる状態です。進行すると、O脚などの変形を生じ、歩行時の痛みが強くなります。そのため、一度、整形外科受診をお勧めいたします。
- 階段の上り下りが辛いのですが
- 年齢にもよりますが、関節そのものの痛みとその周辺の筋や腱からの痛みが考えられます。しっかりと診断を受ける事はもちろん必要ですが、どちらにしてもストレッチなどを行い、周辺の筋肉を柔らかくする事、太ももの筋力を鍛えることが必要になると考えます。
- 最近歩き始めに膝が痛みます。なにが原因ですか。
- 原因として最も多いのが、変形性膝関節症で、膝の軟骨の磨り減り、痛みが出てくる状態です。進行すると、O脚などの変形を生じ、歩行時の痛みが強くなります。そのため、一度、整形外科受診をお勧めいたします。
変形性膝関節症
症状は初期には立ち上がりや歩き初めなど、動作の開始時に痛みが生じることが多いです。進行するにつれて、階段昇降や正座でも痛みが生じ、さらには短時間の歩行も困難となります。原因は、基本的に加齢による膝関節の軟骨の老化、すり減りですが、肥満や遺伝なども関与していると言われています。
- 予防法はありますか?
- 日常生活での注意点としては
・太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。
・正座やしゃがみ込み(和式トイレなど)を避ける。
・肥満があれば体重を減らす。
・膝を冷やさずに温める。
などがあります。
- どのように診断しますか?
- ・問診(症状の出かたなど)、身体所見(痛みの部位など)
・X線(レントゲン)検査
などを組み合わせて総合的に判断します。
- どのような治療がありますか?
- ・上記にあるような日常生活での注意
・湿布、飲み薬の痛み止め
・筋力トレーニングやストレッチなどのリハビリテーション
・ヒアルロン酸関節注射
・PRP(多血小板血漿)療法、PFC-FD(血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存したもの)療法などを膝に注射する再生医療
・骨切り術や人工関節置換術などの手術療法
など、病状、進行度に応じて種々の治療選択肢があります。
骨粗しょう症
骨粗しょう症とは、骨密度(骨の強さ)が低下し、骨折しやすくなる病気です。骨粗しょう症になったからといって、通常は痛みを伴いません。しかし、転倒などのちょっとした衝撃で骨折しやすくなります。特に骨折しやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)、股関節(大腿骨頚部骨折、大腿骨転子部骨折)、肩(上腕骨骨折)などです。
- どうして骨粗しょう症になるのですか?
- 骨は常に、新たに作られる「骨形成」と、溶かして壊される「骨吸収」を繰り返しています。年齢とともに、このバランスが崩れ、「骨吸収」のスピードの方が早くなってしまうことで骨密度が低下し、骨が弱くなっていきます。特に女性では閉経後のホルモンバランスの変化により、男性よりも骨粗しょう症になりやすいです。
- 予防法はありますか?
- ・カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、リン、マグネシウムなどの栄養を摂る。
・タンパク質を摂る。
・禁煙し、アルコールを控えめにする。
・日光を浴び、適度な運動をする。
- どのように診断しますか?
- 種々の方法がありますが、最も一般的に行われている方法は、デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)であり、当院でもその方法を行なっております。
- どのような治療がありますか?
- 飲み薬や注射薬など、様々な種類の治療薬があります。年齢、骨粗しょう症の程度、生活スタイルなどに合わせて治療薬を選択します。