雪山で遭難したという設定のシーンで、「なんだか眠たくなってきたよ…」「おいっ!寝ちゃダメだ!」という場面は定番ですよね。
あそこまで体温をさげろというわけではありませんが、睡眠と体温というのはとても深い関係があります。
その仕組みを理解すると、寝つきが悪くて悩んでいる人も、改善策が見つかるかも知れません!
ここでいう体温と言うのは、体表の温度ではなく、深部体温(簡単に言うと脳や内臓など、体内の温度)のことを言います。
睡眠と体温の関係
1、体温のリズム
人は、1日の中でも体温が変動しています。
朝起きてから少しずつ体温は上がっていき、18時19時頃になると、一日で最も体温が高くなります。
そこから徐々に下がっていき、朝方4時頃が最も体温が低くなります。(その高低差は約1度)
その後、少しずつ体温が上がってきたところで、目が覚める仕組みになっています。
目が覚める前から、体温を少しずつ上げていくことで、身体を活動モードに切り替えていきます。つまり、身体は無意識的に、起きる前から起きるための準備を始めているということです。
人にはそうした体温のリズムがあります。
2、体温が下がると眠気を感じる
まず知っておきたいことは「体温が下がりだすと眠たくなる」という体の仕組みです。
上記のグラフで言うと、夜の19時頃は体温も高く、眠気も少ないですが、
それ以降、体温が低下するのに合わせて徐々に眠気が出てきて、22時を過ぎると、体温はどんどん下がり、眠気も強くなっているのがわかると思います。
そのため、一般的には22時~24時頃には、「眠たいから寝る」というリズムになっています。
この体温低下をよりスムーズにしてあげる工夫をすることで、よりスムーズな入眠に繋がり、より深い睡眠にも繋がります。
3、お風呂の時間と温度がポイント
夜いかに体温を下げるか、というお話ですが、どうしても一時的に体温が上がるのが入浴です。
しかし、この入浴をうまく活用することで、より快眠に繋げることができます。
小さいころに「熱めのお湯に浸かって、湯冷めしないうちに早めに布団に入りなさい」とよく言われた記憶があります。
しかし、体温を下げないといけないということは、この教えは間違っていると言えます。
熱いお湯に浸かると、交感神経が優位になり、脳がリラックスできない、というのと、
身体が熱い状態ですぐ布団に入ると、寝床内(布団と体の隙間)の温度湿度が高すぎて、なかなか寝付けないし、寝れたとしても眠りが浅くなってしまう可能性があります。
より快適に眠るためには、
①お湯の温度は40℃~41℃
体温より少し高めくらいにして、程よく体温を上げることで、その後の体温低下をスムーズに行うことができます。
※真冬や、北海道・東北地方のような、寒い日のお風呂は、もう少し高めでも良いと思います。主観的に、程よく温まる程度、と考えると良いと思います。
②寝る1時間前くらいにお風呂に入る
お風呂上りにすぐ布団に入るのではなく、1時間程度間をあけて、ある程度身体の熱感が引いてから眠るようにしましょう。
前述のように、寝床内が蒸れてしまうなどで、快眠を妨げます。
まとめ
体温の変化と眠気の仕組みを理解し、生活の中に工夫を取り入れることで寝つきが良くなったり、熟眠感が増したりすることが期待できます。
特に熟眠感については、睡眠中の体温変化も大切で、寝具やパジャマ、寝室の温度・湿度などがポイントになってきます。
そのあたりは改めてご説明させて頂きます!