夜中に目が覚めてしまう
夜中にトイレに行きたくなったり、そうでもないのに目が覚めてしまい、その後しばらく眠りにつけなくなってしまう症状が慢性的に
起こり、寝不足になってしまう症状を、不眠症の中でも「中途覚醒」と言います。
年齢とともに睡眠が浅くなるため発症しやすくなるのですが、若くても生活習慣の乱れや体質によって起こることがあります。
目が覚めても、またすぐに寝付ける場合はそこまで問題ではありませんし、高齢者の中途覚醒はある意味普通のことなので、
気にすることはないでしょう。
不眠症として治療すべき中途覚醒というのは、
「眠ってもすぐに起きてしまう状態が一定期間続いている」「夜中に目覚めてしまうと再び眠りに入る事が難しい」「これによって本人が困っている、あるいは生活に支障が生じている」
この3つをすべて満たすような状態です。
考えられる原因
・寝る3時間以内の食事
→お腹いっぱい食べたりコッテリした物を食べると、睡眠中も胃が働き続けるため、睡眠が浅くなり覚醒しやすくなります。
・寝る前の飲酒
→利尿作用によってトイレに行きたくなったり、筋弛緩作用によって睡眠時無呼吸が起こりやすく、眠りが浅くなるなどが考えられます
・寝る4時間以内のカフェイン摂取
・身体に合っていない寝具による痛み
・アトピーによる痒みなど、体質的な問題
・加齢に伴い、睡眠が浅くなっているため
・(女性の場合)生理も関係してくる
→生理前になると、プロゲステロンが増加し、体温上昇=眠りが浅くなる。
→エストロゲンが減少し、セロトニンが減少=メラトニン減少。などにより睡眠の質が悪くなってしまっている
・睡眠時無呼吸症候群により、睡眠が浅くなっている
→イビキをかいている人は可能性があります。
・周期性四肢運動障害により、手足がピクピク動くことによって脳が覚醒してしまう
→むずむず脚症候群など、足がむずむずして寝られない、などの症状がある場合
・自律神経の乱れ
・30分以上の昼寝をしている。または夕 方以降にうたた寝をしている。
→そのため睡眠物質が溜まっておらず、眠りにつけても深くないため覚醒しやすい。
改善策
・日光を浴び、タンパク質(トリプトファン)を摂取し、夜は暗くするなどを意識して、メラトニンの分泌量を増やす
→メラトニンが多いと、眠りも深くなるため、中途覚醒しにくくなります。
・睡眠時無呼吸対策をする。
→横向きで寝るクセをつけたり、症状がひどい場合はシーパップ治療を受ける(睡眠外来)。無呼吸対策グッズを試してみるなどから始めてみるのも良いかもしれません。
・昼寝は30分未満にし、適度に疲労するように午後も活動的に動く
→そうすることで深い眠りになり、中途覚醒しにくくなります。
・寝具やパジャマを見直したり、寝室の香りを工夫するなどして、深い睡眠をとれる環境を整える。
→眠りを邪魔するものは徹底的に排除しましょう。
・ストレッチ、腹式呼吸、筋弛緩法などにより、リラックスすることで副交感神経を優位にする
→自律神経を整えるという意味で、ツボ押し、アロマ、音楽など、好きなものから取り入れてみましょう。
・室温26度前後、湿度50%前後、明るさは豆球以下にするなど、寝室環境を整える
・40度くらいのお風呂に入るなど、快眠のための工夫をする
・夜の食事内容を見直す
→腹八分目を意識したり、消化しやすいものを選ぶなど
入眠困難の改善策と同じものもいくつかありますが、結局、いかにリラックスして深 い睡眠をとるかが大事であり、それによってあらゆる不眠の症状が改善されます。